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更新日:2023年2月24日

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令和5年2月定例会 知事の提案理由説明

はじめに

 本日、令和5年2月定例県議会が開催されるにあたり、提出しました令和5年度予算案その他の議案につきまして、その概要を申しあげ、あわせて、県政運営について所信の一端を申しあげます。

 私は、令和2年11月に知事に就任して以来、約2年3か月余り、「県民目線」、「スピード重視」、「現場主義」を徹底した県政運営に努め、県民の皆様にお約束した8つの重点政策・88の具体策の実現に向けて誠心誠意取り組んでまいりました。この間、未来に向けた新しい富山県の創造をめざし、成長戦略の策定をはじめ、市町村、近隣県等との連携の強化、アメリカ・オレゴン州やベトナム等との経済・人材交流の促進、行政、産業・地域社会のDXの推進などの基盤づくりを進めてきたところです。

 本日、令和5年度の予算案等をご審議いただく2月定例会を迎え、あらためて県民の皆様の負託と期待に応えるべく、全力で県政に取り組んでいく決意を新たにしている次第です。

 本県のみならず、昨今の日本においては、少子高齢化・人口減少、地方創生、安全保障などの課題に加え、長引く新型コロナ感染症の拡大やエネルギー価格・物価の高騰、デジタル化の進展などにより、社会構造の変化が大きく加速しています。また、日本国内だけでなく、SDGsをふまえた経済活動やカーボンニュートラルに向けた動きの急速な拡大など、世界的な潮流も注視していく必要があります。今後、これらの変化を成長に向けた転機ととらえ、様々な分野で新たな課題を発見し、さらに高い目標を見据えて飛躍していかなければなりません。

 県では、「新しい価値」や「新しい産業」を生み出す人材が育ち、集積する環境づくりを推進するため、成長戦略に基づき、「幸せ人口1000万ウェルビーイング先進地域、富山」の実現に向けた各般の取組みをさらに加速させてまいります。その際には、先般策定したウェルビーイング指標も活用し、県民一人ひとりの幸せの実感に一層寄り添う県政を推進してまいります。

 来る5月には、G7教育大臣会合が開催され、富山・石川両県の教育力の高さや自然・歴史文化、食などの魅力を国内外に発信する絶好の機会を迎えます。引き続き、富山県委員会や文部科学省、関係自治体等と連携して必要な準備を進めるとともに、「富山・金沢こどもサミット」や県内高等教育機関等によるシンポジウムの開催などを通じて、機運の醸成を図ってまいります。

 今後とも、知事に就任した際の初心を忘れず、若者からお年寄りまで希望に満ちた笑顔があふれる富山県、ワクワクすることがたくさんある富山県、チャンスがあり、夢を叶えることができる富山県の実現に向けて全力で取り組んでまいります。

 なにとぞ、議員各位のご指導とご協力、県民の皆様のご理解とご支援を心からお願い申しあげます。

1 予算編成の基本方針

 つぎに、令和5年度予算編成の基本方針について申しあげます。

(予算編成方針と財政状況)

 令和5年度予算編成にあたっては、県民の暮らしと事業活動を守るため、エネルギー価格・物価高騰対策や新型コロナ対策に引き続き最優先で取り組むとともに、県民のウェルビーイングの向上をめざし、少子化対策・子育て環境の充実をはじめ、スタートアップ支援など経済の活性化や、DX、カーボンニュートラルの推進、人への投資などの事業に優先的に予算を配分することとしました。

 また、国においても、足元の物価高を克服しつつ、日本経済を民需主導で持続可能な成長経路に乗せていくため、昨年11月に「物価高克服・経済再生実現のための総合経済対策」の内容を盛り込んだ第2次補正予算を編成し、新年度にわたって着実に実行することとされています。県としましても、国の予算を最大限活用し、11月定例会で議決いただいた補正予算と、今議会に提案しております補正予算案、そして令和5年度予算案を一体的に運用してまいります。

 一方で、本県財政につきましては、高齢化の進展等により社会保障関係経費が年々増加し、新幹線建設等にあたって発行した地方債の償還による公債費が高い水準で推移しており、昨年秋の時点では、令和5年度予算編成に向けた財源確保や調整が必要となる「要調整額」は約20億円と見込まれました。このため、地方の安定的な財政運営に必要な一般財源総額の確保・充実を全国知事会とも連携し国に強く求めるとともに、歳入の一層の確保、社会経済情勢の変化や県民ニーズの多様化などをふまえた既存事業の見直し・再構築を進めてまいりました。

(令和5年度一般会計予算案等)

 この結果、令和5年度一般会計予算案は、6,326億円余と前年度当初予算と同程度の規模を確保しました。財政の健全性にも留意しつつ、エネルギー価格・物価高騰対策や新型コロナ対策など県民の暮らしを守るために必要な施策を盛り込むとともに、こども政策をはじめとした「未来づくり」に積極的に投資するなど、コロナ禍を乗り越え、より良い富山県を創るために果敢に取り組む予算としております。

2 歳出予算の概要

 つぎに、歳出予算の概要について申しあげます。

 令和5年度予算案は、

 一般会計 6,326億5,505万円

 特別会計 3,416億6,801万円

 となっており、

 令和4年度補正予算案は、

 一般会計 37億7,627万円

 となっております。

 以下、これらの予算案の要点について、エネルギー価格・物価高騰対策、新型コロナ対策および8つの柱からなる重点政策に沿って申しあげます。

(1)エネルギー価格・物価高騰対策

 まず、エネルギー価格・物価高騰対策について申しあげます。エネルギー価格や物価の高騰への対応につきましては、これまでも数次にわたり補正予算を編成し、スピード感を持って、県民生活をはじめ、中小企業や農林水産事業者、交通事業者、飲食事業者など幅広い事業者へ支援してまいりました。引き続き、県民生活や事業活動への影響を注視し、現場のニーズをふまえながら、必要な対策を講じてまいります。

(県民生活への支援)

 県民生活への支援につきましては、新型コロナや物価高騰等の影響を受けるひとり親家庭の生活を支援するとともに、こども食堂の活動が維持されるよう、負担が増加している食材費や光熱水費の一部を助成します。また、県民の消費や暮らしを支え、地域経済の活性化を図るため、商工団体や商店街によるプレミアム商品券の発行などを支援します。さらに、県内中小企業における賃金の引上げを後押しするため、国の助成金に県独自で上乗せを行うとともに、県内の経済団体等と連携して「パートナーシップ構築宣言」の普及に取り組み、価格転嫁が適正に行われる環境を整備します。

(事業活動への支援)

 事業活動への支援につきましては、県独自に保証料を引き下げる「ビヨンドコロナ応援資金」の融資枠を拡充し、中小企業の資金繰りへの支援を強化するとともに、商工団体における相談体制を充実するなど、生産性の向上や事業の再構築に取り組む事業者に寄り添い支援してまいります。また、「ビヨンドコロナ補助金」については、4月以降の電気料金の引上げも見据え、11月補正予算に続いて増額し、省エネやDX、カーボンニュートラルの推進などを後押しするとともに、生産性の向上による賃金引上げに向けた取組みに対しては、補助率を引き上げて支援を一層強化します。さらに、燃料費等の高騰により影響を受ける交通事業者や農林水産事業者を引き続き支援してまいります。

(2)新型コロナ対策

 つぎに、新型コロナ対策について申しあげます。

 県内の新型コロナの感染状況につきましては、昨年12月に病床使用率が初めて70パーセントを超えるなど、医療提供体制がひっ迫しましたが、関係の皆様のご尽力・ご協力により、先月中旬以降、感染者数と入院者数は減少傾向が続いております。このため、医療関係者のご意見も伺ったうえで、今月10日から感染対策のレベルを「レベル2」の「感染警報」から「感染注意報」に引き下げました。

 さらに、先般、国において、新型コロナの感染症法上の位置づけについて、5月8日から5類へ移行することが決定されました。県では、今後、医療費の公費負担の取扱いなどに関する国の対応方針を注視しながら、医療提供体制の確保やワクチン接種の推進、介護施設等におけるクラスター対策など必要な対策に切れ目なく取り組んでまいります。

 県内で感染が確認されてから間もなく3年が経過します。昼夜を問わず献身的にご対応いただいている医療従事者の皆様をはじめ、新型コロナの対応にあたっておられる関係の皆様、感染防止対策にご協力いただいている多くの県民や事業者の皆様にあらためて深く感謝申しあげます。また、これまで県内で亡くなられた306名の方々のご冥福をお祈り申しあげます。

 つぎに、8つの柱からなる重点政策について申しあげます。

(3)少子化対策、子育て支援、女性活躍の推進

 1つ目の柱は、「少子化対策、子育て支援、女性活躍の推進」です。

(少子化対策)

 本県においても、令和3年の出生数が過去最少を記録するなど、少子化が一層進行している状況にあります。このため、成長戦略会議のウェルビーイング戦略プロジェクトチームに「少子化対策・子育て支援専門部会」を設置し、必要な対策を協議してまいりました。出生数の増加には、婚姻数や夫婦間のこどもの数の増加などが必要です。今後、若い女性や子育て世代から選ばれる富山県をめざして施策を展開してまいります。

 少子化対策につきましては、とやまマリッジサポートセンターに新たに「結婚支援コンシェルジュ」を配置し、市町村や民間企業との連携強化、会員へのフォローアップの充実に取り組むとともに、国の交付金も活用し、市町村が行う結婚支援や機運醸成などの取組みへの支援を強化してまいります。また、こどもを生み育てやすい環境づくりに向け、県内企業における男性の育児休業取得を促進するほか、民間施設が行う子育て家庭向けのサービスの提供や授乳室の設置などを支援します。さらに、女性が働きやすく、活躍できる環境づくりを進めるため、企業経営者向けのセミナーや専門家の派遣を行います。加えて、本県が若者の就職先として選ばれる県となるよう、既存の企業情報サイトを統合のうえ、県内外の大学生等に対してプッシュ型の情報発信を行うとともに、女性活躍の推進に積極的な企業に対する企業立地助成金を拡充します。

(子育て支援)

 子育て支援につきましては、県では、こども家庭庁の設置に先駆け、今年度から「こども家庭室」を設置するとともに、部局横断的な企画立案や施策を推進する「こども未来プロジェクトチーム」を設置し、新たな施策や既存事業の見直しについて議論を重ねてまいりました。今後、未来を担うこどもたちが健やかに成長し、社会で活躍していけるよう、「こどもまんなか共生社会」の実現に向けて取り組んでまいります。

 妊娠から子育て期における支援としては、市町村と連携し、妊娠・出産に影響する疾患の早期発見・治療を目的とした「プレ妊活健診」を実施するほか、産後ヘルパーの派遣体制の強化を図ります。また、「子育て応援券」を拡充し、国の「出産・子育て応援交付金」と一体的に運用するための準備を進めるとともに、妊娠時から出産・子育て期まで一貫した伴走型の相談支援を行います。さらに、病児・病後児保育の利便性向上のため、インターネット予約の導入を支援するほか、未就学児のインフルエンザ予防接種費用の一部を引き続き助成します。加えて、不適切な保育を未然に防止するため、新たに外部の専門家等の視点を取り入れた研修を実施します。

 教育環境の充実等としては、スクールカウンセラーへの助言を行うスーパーバイザーを配置するとともに、事例検討会の開催やフリースクールとの連携などにより、教育相談・支援体制を強化します。また、富山児童相談所については、基本計画検討委員会でのご議論をふまえ、関係機関との連携による機能強化を図ることとしており、相談所の移転改築や、虐待を受けたこどもたちの心のケアを担う児童心理治療施設の整備を進めてまいります。さらに、ヤングケアラーを早期に発見し適切な支援につなげるための体制を構築するほか、こども食堂での学習支援や、民間団体によるこどもの居場所づくりを支援してまいります。加えて、子育て世帯の教育費負担を軽減するため、私立高校の授業料減免への支援を拡充します。

(女性が活躍する環境づくり)

 女性が活躍する環境づくりにつきましては、来月に策定する第5次男女共同参画計画に基づき、性別に関する無意識の思い込みや偏見の解消に向けた取組みを促進してまいります。また、女性活躍に先駆的に取り組む企業への支援を拡充するほか、中高生が自らのライフプランやキャリア形成について考える機会として、県内企業の女性管理職との交流会を開催します。さらに、「働き方改革サポーター」や「働き方改革・女性活躍推進宣言」の普及などを通じて、県内企業における働き方改革を促進してまいります。

(4)産業・経済の活性化

 2つ目の柱は、「産業・経済の活性化」です。

 本県経済につきましては、個人消費は緩やかに持ち直し、雇用情勢も、有効求人倍率が前月から上昇し、12月は1.59倍となるなど、緩やかな改善の動きが続いており、景気は緩やかに持ち直しています。一方で、物価上昇や部品等の供給面での制約、金融資本市場の変動のほか、海外景気の下振れが景気を下押しするリスクに十分注意する必要があります。

 また、県内企業においては人手不足感が高まっており、県では、企業の生産性向上に向けて、DXや従業員のリスキリングを支援するとともに、必要な人材を確保できるよう、UIJターン就職や働き方改革の促進などに取り組んでまいります。

(スタートアップ支援)

 スタートアップ支援につきましては、大きな成長が期待される企業を集中的に支援するとともに、県内企業・団体によるネットワークの構築を通じ、エコシステムの形成に向けた機運醸成を図ります。また、「SCOPTOYAMA」を拠点として、地域交流イベントを開催するなど、起業や移住のさらなる促進に取り組んでまいります。さらに、新規就農者を確保・育成するため、就農前後に必要となる資金の交付やコーディネーターによる相談対応などにより、就農準備から定着まで切れ目のない支援に取り組むほか、とやま農業未来カレッジの研修内容を充実するとともに、定員の拡大に向けた準備を進めます。

(関係人口の増加)

 関係人口の増加につきましては、本県が移住先として選ばれる県となるよう、移住情報サイトをリニューアルするとともに、VRを活用した移住体験イベントや、きめ細かな相談対応を行ってまいります。また、令和6年春の北陸新幹線敦賀開業に向け、北陸三県が連携して関西圏における情報発信拠点の開設準備を進めるとともに、北陸デスティネーションキャンペーンを見据え、大手旅行会社による全国的な誘客キャンペーンや、全国宣伝販売促進会議等における観光プロモーション、定期観光列車等の利用促進などに取り組んでまいります。

(新産業の創出、産業競争力の強化)

 新産業の創出、産業競争力の強化につきましては、グリーン成長戦略分野における新製品・新技術の研究開発を支援するとともに、とやまアルミコンソーシアムにおけるアルミのリサイクルに関する研究開発を引き続き推進します。また、医薬品産業の振興のため、「くすりのシリコンバレーTOYAMA」創造コンソーシアムにおける取組みを一層進めるとともに、業界と連携し、「くすりの富山」の信頼回復に取り組みます。さらに、「富山県ものづくり総合見本市」を開催し、本県が誇るものづくりの技術や製品を国内外に発信するほか、アメリカ・オレゴン州でのテストマーケティングなどを通じ、経済・人材交流等を深めてまいります。加えて、先月新たに設置した「富山県ブランディング推進本部」において、県の情報発信のあり方等について検討を進めるとともに、富山の寿司に焦点をあてた特別な体験の提供などにより、観光産業をはじめ、農林水産業や伝統工芸産業などの高付加価値化を図ります。このほか、県内企業の事業承継に向けた取組みを支援するとともに、AIを活用し、伝統的工芸品の技術の継承を効率化することで後継者の育成や生産性の向上に取り組んでまいります。

(5)健康寿命の延伸、医療・介護の人材確保

 3つ目の柱は、「健康寿命の延伸、医療・介護の人材確保」です。

(健康寿命の延伸)

 健康寿命の延伸につきましては、特定健診の受診率向上に向け、成果連動型民間委託を活用したモデル事業を展開するとともに、県民の運動習慣の定着を図るためのスマートフォンアプリの機能拡充やPRイベントを実施します。また、高齢者のフレイル予防の啓発に官民連携で取り組むほか、睡眠をテーマに企業の健康経営を考えるシンポジウムを開催します。さらに、地域医療構想に基づき、地域の実情や患者のニーズに応じた適切な医療を提供していくため、引き続き必要な支援を行います。

(医療・介護の人材確保・育成)

 医療・介護の人材確保・育成につきましては、地域医療に対する意識を高めるための体験プロジェクトを通じ、医学生の県内定着を図ってまいります。また、看護師の養成・確保や再就業に向けた支援を強化するとともに、公的病院等における薬剤師の確保に向け、短期インターンシップの開催や薬剤師の魅力の発信等に取り組みます。さらに、介護人材を確保・育成するため、本年4月に「とやま介護テクノロジー普及・推進センター」を開設し、介護ロボットやICT等に関する研修・相談対応を行うとともに、介護施設等における外国人材の受入れ環境の整備を支援します。

(6)産学官連携によるデジタル化の推進等

 4つ目の柱は、「産学官連携によるデジタル化の推進等」です。

(民間企業のデジタル化)

 民間企業のデジタル化につきましては、中小企業におけるDXを推進するため、それぞれの課題に応じた講座や専門家派遣等を通じて支援するほか、建設企業が行うICT機器やクラウドサービス等の導入を支援します。また、企業内のDXを牽引し現場のニーズや課題を県と共有する「DXサポーター」を養成するほか、地域課題の解決を図るため、民間企業等が有する先進的な技術を活用した実証実験を進めてまいります。

(行政のデジタル化)

 行政のデジタル化につきましては、専門人材を配置し、市町村におけるDXを支援します。また、県の複数のアプリやサービスを連携させるためのプラットフォーム等を整備し、利便性の向上を図るほか、メタバースなどのデジタル技術を活用して、若年層をはじめ県民の皆様の声を聴く機会を充実します。さらに、県立学校の入学者選抜に係る手続きをデジタル化するほか、道路の除雪情報システムにAIを導入し、積雪状況などの情報発信を強化します。このほか、行政や産業・地域社会のDXを加速化するため、DX推進に関する条例案の検討にあわせて、「DX・働き方改革推進基本方針」を見直し、新たな計画の策定に取り組みます。

(DX人材の育成)

 DX人材の育成につきましては、県立大学において、「情報工学部(仮称)」の令和六年度の開設に向け、新学部棟整備の実施設計や学生募集等を進めるとともに、「DX教育研究センター」における研究や人材育成を推進してまいります。また、高度な技術と課題解決能力を持つDX人材を育成するため、小中高校生のプログラミング技能の向上に取り組むとともに、eスポーツを通じた教育プログラムをモデル的に実施します。

(ワンチームとやまの推進)

 ワンチームとやまの推進につきましては、連携推進本部会議において協議を重ね、カーボンニュートラルの普及促進に向けたポータルサイトの共同設置や、行政手続のオンライン化、農林水産物の輸出に関する相談窓口の設置など、連携体制の構築・強化を図ってまいりました。来年度は新たに「こども・子育て施策の連携・強化」や「観光再始動に向けた受入体制整備」について協議を進めることとしております。今後とも、市町村との連携・協力をさらに深め、多様化・複雑化する行政課題に対応してまいります。

(7)農林水産業の振興、地域交通ネットワークの活性化、持続可能な地域づくり

 5つ目の柱は、「農林水産業の振興、地域交通ネットワークの活性化、持続可能な地域づくり」です。

(稼げる農林水産業の実現)

 稼げる農林水産業の実現につきましては、とやま輸出ジャンプアップ計画に沿って、地域商社を中心としたプラットフォームの形成や、アジア地域での県産品フェアの開催などの各種施策を展開してまいります。また、県産食材の販路拡大を支援するため、オンラインによるマッチングや新幹線・航空機を活用した輸送に対する助成を行うほか、「富富富」の生産拡大や「とやま和牛酒粕育ち」のブランド化の推進、県産米粉の消費拡大に向けた大消費地でのキャンペーンなどに取り組みます。さらに、園芸作物の生産力を強化するため、産地をけん引する「リーディング経営体」の育成を図るほか、有機農業の拡大に取り組む農業者の支援、プラスチック被覆肥料や化学農薬を低減する技術の実証などにより、環境にやさしい農業を推進します。加えて、本県の農業振興に関する継続的な研究や学びの場として、富山大学に寄附講義を設置します。このほか、本年6月に開催する食育推進全国大会については、シンポジウムや各種イベントの実施を通じて、食育の大切さや本県の多彩な食の魅力を県内はもとより全国に発信で20きるよう、関係団体等と連携し、準備に万全を期してまいります。

(地域交通ネットワークの活性化)

 地域交通ネットワークの活性化につきましては、持続可能な公共交通の確保に向けて、「富山県地域交通戦略」を策定するとともに、富山地方鉄道や万葉線の安全性の向上に向けた取組みを沿線市町村と連携して支援します。また、城端線・氷見線の利便性や快適性の向上に向けた調査・検討を進めるほか、北陸新幹線敦賀開業に向け、北陸3県が連携したキャンペーンを実施するなど、並行在来線の利用促進を図ってまいります。さらに、AI・ICT等を活用した新たな交通サービスの導入支援や、公共交通の利便性を高めるためのMaaS環境の充実などに取り組んでまいります。

(持続可能な地域づくり)

 持続可能な地域づくりにつきましては、本年10月に「全国過疎問題シンポジウム」を開催し、過疎地域の活性化について議論を深め、全国の優れた取組みを発信します。また、中山間地域における新たな物流モデルの構築に向け、官民協働による協議会を設置するほか、コミュニティビジネスに取り組む地域の育成と横展開を図ってまいります。さらに、ニホンザルへの対策を強化するため、捕獲のための受信機の貸与や地域住民等を対象とした研修を実施します。加えて、安全・安心な地域づくりに向け、地域防災の担い手となる防災士を養成する研修を拡充するとともに、通学路の危険箇所等への防犯カメラの設置を促進してまいります。

(令和の公共インフラ・ニューディール政策)

 令和の公共インフラ・ニューディール政策につきましては、国の補正予算を最大限に活用し11月定例会で議決いただいた補正予算と今回提出した2月補正予算案、令和5年度予算案をあわせ、河川の改修・浚渫、海岸保全施設の整備など治水・海岸・土砂災害対策や、橋梁、トンネルの老朽化対策、農業用水路の安全対策などを前倒しで実施します。また、幹線道路や通学路、消雪施設の整備、港湾・漁港の機能強化など、物流と生活を支える社会資本の整備を進め、県土の強靱化を加速します。さらに、県立高校特別教室への空調設置、交通安全施設の新設・改良、各種施設の維持修繕に計画的に取り組みます。

(8)SDGsの推進、多様な人材の活躍、スポーツ・文化の振興

 6つ目の柱は、「SDGsの推進、多様な人材の活躍、スポーツ・文化の振興」です。

(カーボンニュートラルの推進)

 カーボンニュートラルの推進につきましては、戦略策定にあたっての議論もふまえ、民間事業者のアイデアも活用しながら効果的な普及促進を図るとともに、脱炭素経営のモデル企業を育成します。また、自家消費型の太陽光発電設備や電気自動車等の導入、既存住宅の省エネ改修を支援するとともに、目指すべき省エネ住宅「富山型ウェルビーイング住宅」の性能や推進方策を検討します。さらに、小水力発電の導入拡大に向け、河川や上下水道等への導入可能性を調査します。加えて、県庁の率先行動として、県有施設等において太陽光発電設備の設置や照明のLED化を計画的に進めてまいります。

(SDGs・多様性の推進)

 SDGs・多様性の推進につきましては、資源の循環を促進するため、廃プラスチックの排出事業者とリサイクル業者等の連携を支援するほか、食品ロスの削減に向け、県内の家庭で発生する食品廃棄物等の実態調査を行います。また、小中学校において、障害の有無にかかわらず共に学ぶ「インクルーシブ教育」を推進するとともに、特別支援学校における医療的ケアの体制強化に取り組みます。さらに、県内企業における障害者雇用の促進や就労支援事業所における工賃の向上を図るなど、県民一人ひとりが輝ける多様性のある社会づくりを推進してまいります。

このほか、来月1日から開始するパートナーシップ宣誓制度については、市町村や関係団体の協力のもと、制度の円滑な運用に努めるとともに、来月20日には、県民の皆様を対象としたシンポジウムを開催することとしており、性の多様性に対する理解促進を図ってまいります。

(スポーツ・文化の振興)

 スポーツ・文化の振興につきましては、体験型のスポーツイベントやプロスポーツチームによる小中学生を対象とした技術指導を実施するほか、県民の文化活動の充実を図るため、ニーズに応じて芸術家等の派遣を行います。また、高志の国文学館において、新館長の就任を契機として幅広い世代を対象とした新たな企画を実施するほか、昨年12月に国宝に指定された勝興寺については、高岡市と連携し、保存・継承の取組みを引き続き支援するとともに、展示会や講演会の開催などを通じ、その魅力を広く発信してまいります。さらに、先月、石川・静岡両県知事との間で締結した協定に基づき、日本三霊山の魅力を発信するため、3県知事による鼎談や、立山博物館における展示、調査・研究を実施するほか、本県が誇る文化財や文化施設等を巡るツアーの造成を支援するなど、文化観光を推進してまいります。加えて、立山砂防の世界文化遺産登録をめざし、その国際的な認知度や価値のさらなる向上に取り組みます。

(9)教育の充実など人材育成の推進

 7つ目の柱は、「教育の充実など人材育成の推進」です。

(初等・中等教育の充実)

 初等・中等教育の充実につきましては、国に2年先行して実施している35人学級を小学校全学年に拡大し、少人数指導と組み合わせた効果的な少人数教育を推進します。また、教員の多忙化を解消するため、市町村と連携し、公立小中学校にスクール・サポート・スタッフを引き続き配置するとともに、休日の部活動の地域移行に向けた体制整備を支援します。さらに、教員の確保に向け、教員志望者向けのUIJターンセミナーの開催や教員の魅力発信に取り組むとともに、県外学生を対象に本県での教育実習を支援します。

(魅力と活力ある高校教育など)

 魅力と活力ある高校教育などにつきましては、新たな検討会議を設置し、高校再編に係る基準などの基本的な方針について議論・検討を進めます。また、県立学校において課題解決型のプロジェクト学習や地域課題をテーマとした探究活動を推進するなど、教育の質の向上に努めるとともに、農業科に先進的な農業機械を整備し、次世代を担う農業者の育成・確保を図ります。さらに、産業界の人材ニーズや求職者の訓練ニーズをふまえ、技術専門学院の学科の見直しや訓練環境の整備に取り組むほか、県立図書館については、利便性向上のための改修を行うとともに、デジタル化の進展などをふまえ、今後のあり方を検討してまいります。

(10)観光振興など選ばれる県づくり

 8つ目の柱は、「観光振興など選ばれる県づくり」です。

(観光振興による誘客促進)

 観光振興による誘客促進につきましては、引き続き、国の「全国旅行支援」を活用し、県内観光需要を喚起するためのキャンペーンを実施することとしております。また、高付加価値な観光地域づくりに向け、宿泊施設の誘致に取り組むとともに、欧米豪などからの誘客を促進するため、観光素材の磨き上げや情報発信の強化、現地での観光プロモーションやコンサルティングを実施します。さらに、「黒部宇奈月キャニオンルート」の一般開放に向け、ガイドの養成や国内外へのPRを一層進めるとともに、宇奈月温泉開湯100周年記念事業への支援や欅平におけるバリアフリー化の推進などにより、立山黒部の魅力向上を図ってまいります。加えて、サイクルツーリズムを推進するため、SNSを活用した情報発信や、北陸3県の連携によるモバイルスタンプラリーなどを実施します。

(空港の活性化、港湾の整備)

 空港の活性化、港湾の整備につきましては、富山空港の国内線の利用を促進するため、航空会社と連携したプロモーションなどを展開するとともに、国際線の運航再開に向けた情報収集や旅行商品の造成支援、台北での観光PRの強化などに取り組みます。また、新規路線の就航を見据えたチャーター便の運航支援や東南アジア等におけるエアポートセールスを実施するほか、混合型コンセッションによる空港運営に向けた準備を進めてまいります。さらに、国際拠点港湾である伏木富山港の物流機能を強化するため、新湊地区においてガントリークレーンを更新します。

(11)県庁の活性化

 つぎに、県庁の活性化について申しあげます。組織機構については、本県の広報・ブランディング施策、こども関連施策、薬務行政などを積極的に推進するための体制強化を図ります。

 職員数については、来年度からの定年引上げなどもふまえながら、引き続き適正な定員管理に努めてまいります。また、職員の育成・確保や多様な人材の活用、DX・働き方改革のさらなる推進などに取り組んでまいります。

 事業の見直しについては、県民目線を第一に、業務の効率化や「選択と集中」の観点から、ゼロベースでの見直しに取り組んだ結果、事業の統廃合や再構築など、約10億5,000万円の見直しを行ったところです。また、今年度から本格実施した官民協働事業レビューについては、評価結果等を参考に、県議会のご意見も踏まえながら各事業のあり方を検証し、必要な見直しを行ったうえで来年度予算に反映いたしました。来年度は対象事業をさらに増やして実施してまいります。

 今後とも、「県庁活性化方針」に基づき、持続可能な県政推進体制を構築し、県民が主役の富山県をめざしてまいります。

3 歳入予算の概要

 つぎに、歳入予算のうち、主なものについてご説明申しあげます。

 令和5年度予算案につきましては、一般会計において、県税は、国の経済見通しや地方財政計画、税制改正や、県内企業の収益動向等を勘案して、1,546億円を、地方交付税は、国の算定方針等をふまえて積算のうえ、1,420億円を、それぞれ計上しております。

 国庫支出金は、648億円を、県債は、467億円を、それぞれ計上しております。

 使用料および手数料については、国の法改正等に伴い、所要の改定を行うことにしております。

 また、特別会計においては、事業収入の実績等を勘案のうえ所要額を計上しております。

4 予算以外の議案

 つぎに、予算以外の議案について申しあげます。

 条例としましては、新たに制定するものとして、「富山県職員等退職手当基金条例」など2件を、改正するものとして、「富山県附属機関条例の一部を改正する条例」など19件を提案しております。

 また、条例以外の議案7件のほか、報告案件として、地方自治法第179条および同法第180条の規定による専決処分について報告しております。

 以上をもちまして、令和5年度における県政運営の基本方針および今回提出しました諸案件の説明といたします。

 なにとぞ慎重ご審議のうえ、適正な議決をいただきますようお願い申しあげます。

お問い合わせ

所属課室:議会事務局  

〒930-8501 富山市新総曲輪1-7 

電話番号:076-444-3405

ファックス番号:076-444-3471

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