安全・安心情報
更新日:2024年6月22日
ここから本文です。
身体や精神の障害を持つ人、あるいは病気を持って苦しむ人に対し、世間はしばしば偏見を抱き差別をすることがあります。偏見とは、ものの見方や考え方が一方に片寄っている場合であり、差別とは、同じ仲間として扱わずに区別することを言います。
ハンセン病には、このような偏見や差別が昔から付きまとっていましたが、それはハンセン病に対する誤った考え方を世間が信じたからです。その病気がどうあろうと、病気を持って苦しむ人を思いやるのは当然であり、差別していっそう苦しめるようなことは許されません。
ハンセン病は、1873年にアルマウェル・ハンセン(ノルウェー)によって発見された「らい菌」という細菌による感染症です。かつて有効な治療薬がなかった時代には、以下の理由から、患者は差別の対象となりました。
ハンセン病の感染力や発病力は非常に弱く、日常生活で感染する可能性はほとんどありません。乳幼児期に多量かつ頻回にらい菌を口や鼻から吸い込む以外では、まず発病しません。
なお、いつも患者と接している国立ハンセン病療養所で働いた職員でハンセン病に感染した人はこれまで確認されていないことからも感染力の弱さが伺えます。
有効な抗ハンセン病薬で治療を行われていなかった時代には、四肢や顔面などに変形などがおこりました。現在では、いくつかの薬剤を組み合わせた多剤併用療法(multidrugtherapy、略してMDT(注))が広く行われ、早期発見と早期治療によって後遺症を残すことはなくなっています。
(注)MDT:ジアフェニルスルホン(DDS)、クロファジミン(CLF)、リファンピシン(RFP)の三つの薬剤を組み合わせて用いる多剤併用療法のことを言う。
ハンセン病療養所入所者については、現在国立13カ所・私立1カ所の療養所で約720人が療養を継続して受けています。
平均年齢は、約88.3歳と高齢化していることから、視覚障害などの後遺症や合併症により治療や介護を要する人が多くなっています。医療だけでなく高齢化対策等の充実が重要となっており、不自由者棟(注)の緊急通報システムの導入や夜間看護体制強化などの対策が講じられています。
(注)不自由者棟:ハンセン病療養所では入所者の家は一般寮(健康舎)と不自由者棟(センター)に分かれています。その内、不自由者棟では後遺症の悪化や合併症、高齢化などに伴って介護を必要とする入所者が暮らしています。少しだけ職員の手を借りればあとは自分で生活ができる人から、食事・排泄などすべてにおいて介助を必要としている人まで不自由度はさまざまです。
ハンセン病の患者・回復者の方々の多くは様々な苦しみを強いられてきました。「らい予防法」が廃止された現在でも、社会に残る偏見・差別から、このような苦しみを持ちつづけている人が多くいます。
ハンセン病療養所で生活されている方々の過去の時間を取り戻すことはできませんが、これらの人たちのこれからの明るく楽しい生活への支援は、私たちに課せられた重要な課題です。
ハンセン病について、もっと詳しく知りたい方は、ページ下部の関連リンクからホームページを参考にしてください。
地域で暮らしておられるハンセン病回復者の方やその家族を対象に、相談を行っています。その他の相談にも対応します。
※個人情報は厳守しますので、どんなことでも安心してご相談ください
また、ハンセン病に関する図書やビデオなどの啓発資材に関する情報を提供します。
学校その他での、ハンセン病問題についての知識普及・啓発にご利用ください。
これらにつきまして、以下の「お問い合わせ」先までお気軽にご連絡ください。
お問い合わせ
関連情報
目的別情報
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください