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更新日:2022年11月17日
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発表日 2022年11月17日(木曜日)
株式会社老子製作所(高岡市)と若鶴酒造株式会社(砺波市)及び県産業技術研究開発センター(高岡市)が、共同で開発した「高岡銅器の伝統技術による世界初の銅合金鋳造製ウイスキー蒸留器ポットスチル」に関する特許が、このたびウイスキーの本場英国において特許が権利化されました(令和4年9月14日付)。
特に本発明は、ポットスチルを鋳造することにより、従来の板金加工で製作されたポットスチルに比べて、低価格、短納期を可能にしたことに加え、長寿命、形状の設計自由度・再現性が高い、材質による酒質の調整、省エネ等、多くの優れた性能を持つことを可能にしました。
名称:「Distillation apparatus for distilled spirit」(和訳:蒸留酒用の蒸留装置」
発明者:GRN株式会社、株式会社老子製作所、富山県
登録番号:英国特許 GB2590218B
特許査定日:令和4年9月14日
名称:「蒸留酒用の蒸留装置」
発明者:GRN株式会社、株式会社老子製作所、富山県
登録番号:日本国特許 特許第6721917号
特許査定日:令和2年6月23日
平成29年4月~ | 三者にて共同研究を開始 |
平成30年6月29日 | 特許を出願 |
令和2年6月23日 | 日本国内特許を取得 |
令和4年9月14日 | 英国特許を取得(本報告) |
近年、ウイスキーの世界的なブームにより、本場スコットランドを始め、世界中で蒸留所の新設が相次いでいるが、急な需要拡大に蒸留所の増設が追い付いていない状況です。特に、ウイスキーを蒸留するための従来のポットスチルは、純銅板を曲げ・絞り・溶接を手作業で行う板金加工で製作されているため、製作コストと長期間の納期が大きな問題となっています。このような背景から、ウイスキーの品質を維持しつつ、低価格で短納期であるポットスチルの製造技術が求められていました。
本発明は、世界で初めての鋳造によるウイスキー蒸留器ポットスチルの製品化に関するものです。伝統産業の高岡銅器の高い鋳造技術により、従来の技術では困難であった鉛フリー銅合金による大型鋳造を実現することができました。特に本発明は、ポットスチルを鋳造で製作することにより、従来の板金加工で製作されたポットスチルに比べて、低価格(20%ダウン)、短納期(8カ月→4カ月)を可能にしたことに加え、長寿命(20年→50年以上)、鋳造手法による形状の設計自由度・再現性の高さ、材質による酒質の調整、省エネ(効率約2倍)等、多くの優れた性能をもつことを可能にしました。
2020年4月 | りそな中小企業振興財団 「第32回中小企業優秀新技術・新製品」 優秀賞、産学官連携特別賞 |
2020年7月 | 東京ウイスキー&スピリッツコンペティション2020 特別賞、銀賞 |
2020年11月 | 素形材センター 「第36回素形材産業技術賞」 経済産業大臣賞、産業デザイン財団賞 |
2020年12月 | 中部科学技術センター 「第19回中部科学技術センター顕彰」大賞、コーディネート賞 |
2021年2月 | 富山県「第7回富山県ものづくり大賞」 大賞 |
2021年11月 | 洋酒技術研究会 「第9回洋酒技術研究会」 洋酒技術研究会賞 |
2021年11月 | 日本鋳造工学会 2021年Casting of the Year賞 |
2022年5月 | 東京ウイスキー&スピリッツコンペティション2022 銀賞 |
下記の日時に、若鶴酒造(株)三郎丸蒸留所において、本特許内容に加え、本鋳造製ポットスチルによって蒸留した最初のウイスキーの発表について併せて報告させていただきます。
日時:11月18日(金曜日)11時30分(1時間程度)
場所:若鶴酒造(株) 三郎丸蒸留所
部局・担当名 |
電話番号 |
担当者 |
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商工労働部 産業技術研究開発センター |
0766-21-2121 |
企画調整課 住岡(本発明に関すること) |
商工労働部 産業技術研究開発センター |
0766-21-2121 |
デジタルものづくり課 氷見(研究内容に関すること) |