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更新日:2022年12月23日

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富山県 News Release MAKE TOYAMA STYLE

県産スギを活用した『木製ダム』による脱炭素化の取り組み

発表日 2022年12月23日(金曜日)

農林水産総合技術センター木材研究所では、土木分野での木材利用の拡大を目指し、通常コンクリートで造られる治山ダムに対して、県産スギ材を井桁上に組んで内部に石を詰めて構成する『木製ダム』を開発しました。今回、県東部と西部で試験施工を行いましたので、その取り組みをご紹介します。

〈開発の趣旨〉

木材は、建築物などに利用することで大気中の二酸化炭素を長期間貯蔵するとともに、製造・加工時のエネルギー消費が少ない材料です。そのため、鉄や石油由来のプラスチック、コンクリート製品等の代替材料として木材利用を進めることは、脱炭素社会の実現に貢献するものです。木材研究所では、建築分野以外の土木分野においても、県産スギ材を利用するための技術開発に取り組んでおり、これまで山腹斜面の雪崩や海岸の潮風を防ぐ治山用構造物を開発してきました。さらに、今回、『木製ダム』の開発にも取り組みを拡げ、昨年度からは現場での試験施工を行っています。

〈施工概要〉

県農林振興センター(高岡・新川)と連携し、実用化に向けた試験施工を氷見市小竹地内(令和3年6月施工)と魚津市東城地内(令和4年11月施工)で実施しました。氷見市の施工では、既存のコンクリート製ダムの下流側基礎部分の洗掘防止を目的に副ダムとして導入しました(写真1)。

写真1:氷見市小竹地内

【写真1:氷見市小竹地内】

 

 

 

 

 

また、魚津市の施工では、木製ダムを荒廃渓流の上・下流に2基を配置し、渓床の勾配を緩くして渓流の安定を図ることを目的に設置しました(写真2)。

写真2:魚津市東城地内

【写真2:魚津市東城地内】

〈今後の予定〉

  • これまでの試験施工で得た、現場施工上の課題や施工歩掛などを精査し、設計施工マニュアルを作成します。
  • 『木製ダム』の設置に適した現場条件を検証しながら、躯体の大型化にも挑戦します。

お問い合わせ先

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担当者

農林水産部 農林水産総合技術センター木材研究所

0766-56-2915

成田、柴