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更新日:2023年6月12日

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令和5年6月定例会 知事の提案理由説明

 本日の定例県議会に提出しました案件の説明に先立ちまして、当面の諸問題について申しあげます。

1 当面の諸問題について

(1)新型コロナウイルス感染症対策について

 新型コロナにつきましては、先月8日から感染症法上の位置づけが5類に変更されたことに伴い、法律に基づく入院措置・勧告や外出自粛の要請などが行われなくなり、幅広い医療機関による自律的な対応に移行するなど、3年余りにわたる新型コロナ対策が大きな区切りを迎えました。現在も献身的にご対応いただいている医療従事者の皆様をはじめ、新型コロナの対応にあたっておられる関係の皆様、感染防止対策にご協力いただいている多くの県民や事業者の皆様にあらためて深く感謝申しあげます。県では、引き続き関係の皆様と連携し、感染拡大時も必要な治療を受けることができる医療提供体制の確保、高齢者など重症化リスクの高い方への重点的な対応、感染状況や流行株の特徴に応じた県民の皆様の感染対策の促進に努めてまいります。また、今後の新たな感染症の発生に備え、これまでの新型コロナへの対応をふまえて、県の感染症予防計画を見直すこととしています。

(2)本県の経済・雇用情勢等について

 つぎに、本県の経済・雇用情勢等について申しあげます。

 本県経済につきましては、個人消費は緩やかに持ち直し、雇用情勢は、有効求人倍率が4か月連続で低下し、改善の動きにやや弱さがみられるものの、引き続き1.49倍と高い水準にあるなど、景気は緩やかに持ち直しています。一方で、物価上昇や金融資本市場の変動のほか、海外景気の下振れが景気を下押しするリスクに十分注意する必要があります。

 こうしたなか、近く閣議決定される予定の「骨太の方針」においては、「新しい資本主義」を加速させるため、構造的な賃上げの実現と「人への投資」の強化、少子化対策・こども政策の抜本強化などが盛り込まれる見込みです。

 県としては、5月補正予算に計上した物価高克服に向けた生活者や事業者への支援に係る事業の早期執行に努め、経済の回復を後押ししていきます。また、「幸せ人口1000万 ウェルビーイング先進地域、富山」の実現に向け、成長戦略会議のプロジェクトチームにおける議論を進めるとともに、6つの柱に掲げる各般の取組みを進めてまいります。

 こども・子育て施策につきましては、「子育て応援券」を拡充し、国の「出産・子育て応援交付金」と一体的に運用するため、市町村と意見交換を行いながら、準備を進めています。また、「ワンチームとやま」連携推進本部の連携推進項目に新たに「こども・子育て施策の連携・強化」を加え、子育て家庭への経済的支援や保育の充実、様々な困難を抱えるこどもへの支援などについて協議を進めてまいります。

 女性活躍の推進につきましては、就職期の女性に選ばれる県を目指して、キックオフ会議を開催したほか、来る8月には、経営者向けセミナーや、中高生など若い世代に富山県で働くイメージを持ってもらうための女性社員との交流会を開催するなど、県内企業と連携して取り組んでまいります。

 先月開催されたG7教育大臣会合につきましては、今後G7各国が連携して進めていく教育の方向性等が「富山・金沢宣言」として世界へ発信されました。今回、3月の「こどもサミット」に参加した中学生の代表が、会合の中で各国大臣等と直接意見交換する場を実現できたことに加え、宣言にウェルビーイングの向上策が盛り込まれたことは、本県としても極めて大きな意義がありました。また、学校視察や夕食会等を通じ、本県の教育力の高さや多彩な魅力をアピールできたことも大きな成果となりました。会合にあわせて実施した関連事業等にも数多くのこどもたちが拳画しており、これらの貴重な経験や学びから得られた自信と誇りを、県内のこどもたちに広め、レガシーにしていきたいと考えています。今後、「富山・金沢宣言」をふまえ、教育において、こどもたちのウェルビーイングを高めるため、教員の確保・配置の充実、意識改革や資質向上のほか、学校現場の働き方改革やICT環境の充実を図り、課題解決型学習や国際交流を推進することで、こどもたちが主体的に考え、多様な他者と協働しながら解決策を生み出す力を育成してまいります。

 高校教育につきましては、令和の魅力と活力ある県立高校のあり方検討委員会でのこれまでの議論などをふまえ、報告書がとりまとめられました。これを受け、先週1日には「県立高校教育振興検討会議」を設置したところであり、今後の高校の規模や学科・コースのあり方などの基本的な方針について議論・検討を進めてまいります。

 富山県武道館につきましては、現行の基本計画策定後の建設予定地周辺における環境変化や、建設費の高騰をふまえ、機能・規模などの見直しの議論を進めており、夏頃を目途に基本計画の改定案をとりまとめられるよう、取り組んでまいります。

 北陸新幹線につきましては、先月、北陸新幹線建設促進同盟会、沿線府県議会協議会、北陸経済連合会、関西経済連合会および関西広域連合の5団体合同で、政府・与党に対して要請を行い、金沢・敦賀間の今年度末までの確実な開業と、1日も早い大阪までの全線開業を強く求めました。今後とも、沿線自治体や経済界などと連携し、国会議員や県議会議員の皆様のお力添えもいただきながら、政府等に対し強力に働きかけてまいります。

 県内中小企業等への支援につきましては、5月補正予算で拡充した「ビヨンドコロナ補助金」などにより、省エネやDX、カーボンニュートラルの推進などを後押しするとともに、持続的な賃上げに向けて、県内経済団体によるパートナーシップの構築を促す取組みを支援してまいります。

 農林水産業の振興につきましては、令和4年度の県産農林水産物等の輸出額が過去最高の約33億円となったところであり、引き続き、地域商社を中心とした輸出プラットフォームの形成やアジア地域でのフェア開催などを通じ、輸出促進に取り組みます。また、今月24日、25日に開催する「第18回食育推進全国大会inとやま」では、健康で豊かな食生活を通じた県民のウェルビーイング向上への機運を醸成するとともに、本県の農林水産物や食文化など多彩な魅力を発信します。さらに、先月30日には「未来に広がる!水田園芸シンポジウム」を開催したところであり、園芸生産のさらなる拡大に取り組んでいきます。加えて、栽培漁業センターについては、本県の水産業や栽培漁業について学び、魚とのふれあいを体験できる施設等を整備し、4月にリニューアルオープンしたところであり、多くの方々に利用いただくようPRに努めてまいります。

 観光の振興につきましては、去る4月に黒部市をメイン会場に開催した「富山湾岸サイクリング2023」では、富山湾だけでなく宇奈月温泉などの本県の魅力を国内外に発信し、多くの方々に本県を訪れていただくきっかけになったと考えており、引き続き、北陸三県や他のナショナルサイクルルートとの連携も図りながら、富山湾岸サイクリングコースのPR強化など、国内外からのさらなる誘客を図ってまいります。

 関西圏情報発信拠点につきましては、令和6年春の北陸新幹線敦賀開業を見据え、同年7月のオープンに向けて北陸三県で連携して開設準備を進めるとともに、先週1日から、JR西日本とタイアップし、大阪駅において大型3Dビジョン等で富山の魅力を発信しており、引き続き関西圏へのアピールに努めてまいります。

 医療・介護の充実につきましては、去る4月に、「とやま介護テクノロジー普及・推進センター」を開設しました。今後とも、介護現場におけるロボットやICT等の普及を進め、生産性の向上や、利用者、介護職員双方の負担軽減を図ることにより、質の高い介護サービスの提供や介護人材の確保につなげてまいります。また、来年3月の医療計画改定に向け、医療圏ごとに地域医療構想調整会議を開催し、地域における病院の役割分担や連携等の協議を進めるとともに、修学資金貸与制度などにより、引き続き医師確保対策に取り組みます。

 さらに、県内の薬剤師の確保に向け、関係者や有識者からなる「富山県薬剤師確保対策推進協議会」を設置し、先月10日に第1回の会議を開催したところです。富山大学の令和6年度の入学者選抜から薬学部の「地域枠」が設置されることを受け、新たな奨学金制度の創設など、薬剤師確保対策を進めてまいります。

 防災対策につきましては、先月5日に石川県能登地方を震源とする最大震度6強の地震が発生し、県内においても最大震度4を観測しました。県では、この地震を受け、速やかに県内の被害状況を把握するとともに、余震への警戒の呼びかけなどの情報発信を行ったほか、国に対して、石川県能登地方の群発地震が本県に与える影響の早急な分析や建築物の耐震化促進のための財政支援について要望したところであリ、引き続き、関係機関と連携し、地震防災対策に取り組みます。また、先週、本県において、県内外から多くの方々のご参加のもと、「土砂災害防止『全国の集い』in富山」が開催されたところであり、引き続き、土砂災害防止に関する県民の関心と理解を深め、防災知識の普及等を図ってまいります。

 ワンチームとやまの推進につきましては、先月開催した連携推進本部会議において、昨年度の成果として、市町村との連携等により県産農林水産物等の輸出額が約2倍になつたことや、子育て、介護等の手続きについてオンライン化が進んだことなどを確認するとともに、今年度の具体的な取組み事項や市町村長の皆様から提示された課題等について協議しました。今後とも、連携・協力をさらに深め、多様化・複雑化する行政課題の解決に向けて機動的に対応してまいります。

 官民連携の推進につきましては、先月22日に「富山県官民連携・規制緩和推進本部」を設置したところであり、引き続き、民間活力を活用した地域課題の解決を推進してまいります。

2 提出案件について

 つぎに、今回提出しました案件について申しあげます。

(1)補正予算について

 まず、補正予算について申しあげます。

 補正予算の規模は、一般会計17億2,244万円となっております。

 新型コロナの感染症法上の位置づけが5類に移行したとに伴う対応として、新型コロナ患者の受入れに必要な入院・外来設備等の整備を支援するとともに、患者等を搬送する消防機関に個人防護具を支給します。また、入院医療費等の負担軽減を図るほか、高齢者施設の従事者等に対する集中的検査を引き続き実施します。さらに、ワクチン接種に関する専門相談窓口を継続して設置するとともに、新型コロナウイルス感染症対策応援基金を活用し、新型コロナ対応医療機関における職場環境の向上などに対して支援します。

 また、県内企業が行う下請企業等を含んだサプライチェーンにおける脱炭素に向けた取組みや、県内荷主事業者や物流事業者が行う物流の生産性向上や女性活躍のための環境整備の取組みを支援します。

 このほか、ブランデイングの推進については、「寿司と言えば、富山」の確立に向け、本日午後に開催する本部会議において、10年後の目指す姿やその実現に向けた戦略を共有するとともに、特別な体験を提供する国内向けイベントを開催するなど、取組みを進めてまいります。

 

 以上が補正予算の概要となります。

(2)予算以外の議案等について

 つぎに、予算以外の議案について申しあげます。

 条例としましては、改正するものとして、「富山県手数料条例の一部を改正する条例」など5件を提案しております。

 条例以外の議案としましては、工事請負契約の変更に関するもの1件を提案しております。

 報告案件につきましては、地方自治法第179条および同法第180条の規定による専決処分ならびに令和4年度継続費繰越計算書等について報告するとともに、環境の状況および施策に関する報告書を提出しております。

 なお、令和4年度一般会計の決算につきましては、現在、調製中ですが、実質収支は7億円台の黒字となる見込みであります。今後とも、適正で効率的な予算執行に努めてまいります。

 

 以上をもちまして、今回提出しました諸案件の説明といたします。

 なにとぞ、慎重ご審議のうえ、適正な議決をいただきますようお願い申しあげます。

お問い合わせ

所属課室:議会事務局  

〒930-8501 富山市新総曲輪1-7 

電話番号:076-444-3405

ファックス番号:076-444-3471

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