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更新日:2023年8月9日
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SARS-CoV-2は,アンジオテンシン変換酵素2(ACE2)受容体および/または膜貫通型プロテアーゼセリン2(TMPRSS2)を介して宿主細胞に侵入します.本研究では、シュードタイプウイルスとCOVID-19患者の臨床検体を用いて、プロテアーゼがSARS-CoV-2の感染性を増加させるかどうかを検討しました。
シュードタイプウイルスを用いてトリプシンがどのように感染性を増加させるかを検討したところ、トリプシンはウイルスを細胞に吸着させた後に感染性を増加させるが、ウイルスをトリプシン処理した場合には感染性の増加は認められませんでした。
臨床検体のSARS-CoV-2感染に対するトリプシンの影響を調べたところ、SARS-CoV-2 デルタ株の感染性はトリプシン処理後に36,000倍に増加しました。一方、SARS-CoV-2オミクロン株の感染性は20倍以下でした。
デルタ株を含む5つの臨床検体を用いて、いくつかの嫌気性細菌の培養上清存在下でのウイルス感染性の増強を評価しました。その結果、Fusobacterium necrophorumの培養上清を添加したすべての臨床検体のウイルス感染力は、数倍から10倍まで有意に上昇しました。
SARS-CoV-2の感染力は嫌気性菌が存在する可能性のある口腔内で上昇するため、口腔内を清潔に保つことがSARS-CoV-2感染の予防に役立つと考えられます。
国際学術雑誌「Scientific Reports」
「Activation of SARS-CoV-2 by trypsin-like proteases in the clinical specimens of patients with COVID-19」
山崎笑子、矢澤俊輔、嶌田嵩久、田村恒介、佐賀由美子、板持雅恵、稲崎倫子、長谷川澄代、森永芳智、大石和徳、谷英樹
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