愉しきかな！人生―老当益壮の画人たち｜富山県水墨美術館

人生90年が当たり前の時代となりました。現在、日本ではおよそ4人に1人が65歳以上という超高齢社会を迎えています。定年退職後の生きがいの喪失、長期化する老後への経済的な不安、老老介護や孤立など、高齢化を取り巻く問題は山積しています。
さて美術の世界に目を転じると、著名な画家には長寿の方が多く、90歳を過ぎても旺盛な制作活動を行った作家は少なくありません。若い時から模索と挑戦を続け、挫折と成功を繰り返しながら、長く制作活動を続けることで到達する自由な表現の境地。その作品は、高齢になっても毎日感動し、発見があり、夢中になって描き続けた画家の姿をも伝えています。喜びにあふれ、生き生きとした生命力を宿し、輝きを放つ作品からは、感動と元気、そして老いを生きる希望をもらえるに違いありません。年齢を重ねるということは、より精神的な深みを増すということでもあるのでしょう。それは決して芸術の世界のことだけではないはずです。
本展では、明治期以降、現代までに活躍した日本画家、洋画家あわせて14人の超ご長寿の画家に焦点を当て、作家の個性が最初に表出した時期の作品や代表作に、90歳を過ぎてからの意欲的な作品をあわせ、その画業を紹介します。なお、本展は特に開催館が位置する愛知県や富山県をはじめとした中部地方に所縁のある作家を中心に構成しています。
さあ、美術館からの提案です。老当益壮（老いてますます盛ん）の画人たちの絵と共に、いざゆかん！超高齢社会。

会期

2019年1月11日（金曜）～2月17日（日曜）

会期中の休館日

月曜日（ただし1月14日（月曜）、2月11日（月曜）は開館）、1月15日（火曜）、2月12日（火曜）

開館時間

午前9時30分から午後6時まで（入室は午後5時30分まで）

観覧料

［前売り］一般のみ550円
［当日］一般700（550）円／大学生350（270）円

• 前売券の販売期間は、1月10日（木曜）までです。
• （）内は20人以上の団体料金です。
• この料金で常設展も観覧できます。
• 小学校・中学校・高校等の児童・生徒及びこれらに準ずる方、18歳以下の方、各種手帳をお持ちの方は観覧無料です。

主催

富山県水墨美術館、北陸中日新聞、富山テレビ放送

会期中のイベント

担当学芸員による作品解説会

日時：1月19日（土曜）、2月2日（土曜）14時〜
会場：企画展示室（展覧会観覧券が必要です。）

対談「長寿画家の画業を語る」

日時：1月27日（日曜）14時〜
会場：映像ホール
出演：柳原正樹氏（京都国立近代美術館館長）×木本文平氏（碧南市藤井達吉現代美術館館長）

• 聴講を希望される方は当日会場へお越しください。聴講無料。
• 展示室への入室の際は、観覧券が必要です。

ミュージアム コンサート 2018 inホワイト・シーズン
木管の音色 inミュージアム

日時：1月20日（日曜）14時〜
会場：エントランスホール
出演：フルート・四十谷諒、クラリネット・西田宏美、サックス・角口圭都

• 参加無料
• 展示室への入室の際は、観覧券が必要です。

Bon Mariage 歌と朗読のマリアージュ

日時：2月10日（日曜）14時〜15時
会場：エントランスホール
出演：歌・野上聡子、ピアノ・奥田知絵、朗読・中﨑圭子

• 参加無料
• 展示室への入室の際は、観覧券が必要です。

主な出品作品

片岡球子《めでたき富士（御殿場にて）》
1991（平成3）年［86歳］

富岡鉄斎《瀛洲仙境図》
1923（大正12）年［88歳］
碧南市藤井達吉現代美術館蔵

大森運夫《浄瑠璃人形頌》
1995（平成7）年［78歳］
碧南市藤井達吉現代美術館蔵

堀文子《名もなき草達》
2015（平成27）年［97歳］
名都美術館蔵

野見山暁治《何食わぬ景色》
2018（平成30）年［97歳］
写真提供：野見山暁治財団

奥村土牛《犢》
1923（大正12）年［34歳］
岐阜県美術館蔵

中川一政《チューリップ》
1985（昭和60）年［92歳］
真鶴町立中川一政美術館蔵